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第19巻 第11号 1986年11月 [目次] [全文 ( PDF 637KB)]
原著

炭酸ガスレーザーを用いた選択的近位胃迷走神経遮断術―臨床応用への予備的研究―

佐々木 光一, 門田 俊夫, 三村 一夫, 加辺 純雄, 佐藤 敬文, 玉熊 正悦

防衛医科大学校外科学第1講座

 炭酸ガスレーザー照射による選択的近位胃迷走神経遮断術(以下“レーザー迷切”)の臨床応用に向けて,ヒトの胃についてレーザー照射後の胃壁を組織学的に検索し,安全性及び有効性の面から,至適条件の検討を試みた.対象は早期胃癌で胃切除を必要とした30例で,照射方法はすでに報告した条件で行った1).その結果,迷走神経が最も密に分布する漿膜下層から固有筋層表層に至る範囲は部分的凝固壊死を示し,神経は変性し,血管は温存された.レーザー照射による壊死層は最も深達度の深い例でも固有筋層の1/3までしか及ばず胃壁穿孔の危険性は皆無と考えられた.以上より,上記照射条件で最も安全,確実なレーザー迷切が行えると考えられた.

索引用語
炭酸ガスレーザー照射, 選択的近位胃迷走神経遮断術, 壁細胞分布領域

日消外会誌 19: 2190-2195, 1986

別刷請求先
佐々木光一 〒359 所沢市並木3-2 防衛医科大学校第1外科

受理年月日
1986年3月12日

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