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第19巻 第11号 1986年11月 [目次] [全文 ( PDF 572KB)]
原著

胃癌患者における好中球polarizationの検討

中越 享, 渡部 誠一郎, 平野 達雄, 三浦 敏夫, 富田 正雄, 朝長 昭光1)

長崎大学第1外科, 同 第2内科1)

 胃癌患者60例の末梢血好中球polarizationを測定し,胃癌の病態因子別に検討を加えた.胃癌患者の好中球polarizationは対照群に比べ有意に低下していた.stage IV,n3,深達度ssで示される進行胃癌患者で有意な低下を認めた.術後感染症合併例では,他群に比較して差を認めなかった.死亡例では有意な低下をみた.C領域癌,Borrmann 3型癌,por(低分化腺癌)癌で有意な低下を示した.これらの成績から進行胃癌患者では,一連の好中球機能の過程で最も初期に位置するpolarizationという機能においてその低下が示され,担癌患者での好中球機能不全が示唆された.

索引用語
胃癌, 好中球機能, polarization assay

日消外会誌 19: 2209-2214, 1986

別刷請求先
中越 享 〒852 長崎市坂本町7-1 長崎大学医学部第1外科

受理年月日
1986年3月12日

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