原著
胆嚢癌の占居部位および進展様式からみた外科治療
川浦 幸光, 森 善裕, 中島 久幸, 服部 和伸, 九沢 豊, 魚津 幸蔵, 山田 哲司, 岩 喬
金沢大学第1外科
過去10年間に経験した切除不能例を含む胆嚢癌35例の占居部位を次のごとく分けた.底部を中心とする(Gf)群,体部(Gb)群,頸部(Gn)群,全体群,腹腔側群,肝床群とした.予後因子との関係は,1)Gn群では門脈浸潤率(7/11),(12)番リンパ節陽性率(9/11)が高かった.2)肝転移は全体群,Gf群で高率に認められた.3)十二指腸浸潤(D因子)は腹腔側群,全体群で高率であった.結果を基に術式として以下を考慮している.1)Gf群,Gb群の肝床群では肝床切除,腹腔側群では膵頭後部リンパ節郭清を考慮,2)肝床群で肝内直接浸潤(Hinf)例のうちHinf1-2では肝床切除を,Hinf1-3+胆管浸潤例では肝切除を併施.腹腔側群でD因子(+)例で膵十二指腸切除を併施.3)Gn群では円脈合併切除を考慮すべきである.
索引用語
胆嚢癌の占居部位, 胆嚢癌の進展様式, 胆嚢癌の占居部位からみた手術術式の選択
日消外会誌 19: 2374-2377, 1986
別刷請求先
川浦 幸光 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第1外科
受理年月日
1986年4月9日
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