原著
非特異性腸潰瘍の外科治療―特に手術成績と術後再発の問題について―
舟山 裕士, 佐々木 巌, 今村 幹雄, 内藤 広郎, 神山 泰彦, 戸田 守彦, 鈴木 祥郎
東北大学第1外科(主任:佐藤寿雄教授)
昭和36年以来教室で経験した非特異性腸潰瘍25例の外科治療成績について再発例を中心とした検討を行った.その結果,外科治療成績は一般に良好であるが,25例中9例(36%)に再発がみられ,なかには予後不良例も認められた.再発はUl-IIの小腸漬瘍は残存小腸に,Ul-III~IVの小腸潰瘍および回盲部潰瘍では吻合部に発生する傾向があった.遠隔調査時における経過は良好で,長期間の保存的治療にも改善のみられない症例には外科的治療を考慮してよいと思われた.一方,再発を繰り返す難治例やいわゆる“非特異性多発性小腸潰瘍症”についてはCrohn病に準じ慎重に対処する必要があると思われた.
索引用語
非特異性腸潰瘍, 非特異性多発性小腸潰瘍症
日消外会誌 19: 2390-2396, 1986
別刷請求先
舟山 裕士 〒980 仙台市星陵町1-1 東北大学医学部第1外科
受理年月日
1986年4月9日
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