原著
食道静脈瘤治療における内視鏡的硬化療法と経胸食道離断術(杉浦法)の比較検討
木下 榮一, 二川 俊二, 斉藤 実, 大浦 慎祐, 大橋 薫, 平出 康隆, 深沢 正樹, 別府 倫兄, 杉浦 光雄
順天堂大学第2外科
1979年から1984年12月までの間に順天堂大学第2外科で行った内視鏡的硬化療法94例の長期予後について,同時期に施行した246例の経胸食道離断術(杉浦法)の予後と比較検討した.内視鏡的硬化療法群では1カ月以内死亡10.6%,4年累積生存率46.9%であるのに対し,経胸食道離断術群では術死4.5%,4年累積生存率74.8%であった(p<0.05).Child分類別,時期別累積生存率や止血効果についても,内視鏡的硬化療法より経胸食道離断術(杉浦法)の方が成績良好であった.内視鏡的硬化療法は手技も簡単で容易に施行されうるが,経胸食道離断術と比較し,その効果は現在のところ,不十分でその長期予後も不良であった.
索引用語
内視鏡的硬化療法の長期予後, 経胸食道離断術(杉浦法)の長期予後, 食道静脈瘤治療
別刷請求先
木下 榮一 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学第2外科
受理年月日
1986年6月9日
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