原著
Borrmann 4型胃癌の治療法の検討
田村 聡, 岡本 堯, 本橋 久彦, 石橋 信, 河原 悟, 増沢 千尋, 武宮 省治, 杉政 征夫, 西連寺 意勲, 麻賀 太郎, 小林 理, 山本 裕司, 田村 暢男
神奈川県立成人病センター外科
Borrmann 4型胃癌164例を対象として,治療成績と背景因子について検討し治療法について考察した.切除例74例を肉眼形態から,胃粘膜すうへきが肥大または結節状になった“すうへき型”(G-Type)と幽門部の肥厚が著明な“狭窄型”(P-Type)に亜型分類した.G-TypeでAppleby法を行った症例の成績が良く,長期生存例を経験している.術式別の成績では,胃全摘のうちAppleby法の成績が良く,治療法として本法を推漿する.P1,P2症例の成績は,切除例が非切除例より良いが,S3,N3の合併がない場合,さらに良好な成績が期待できることから,P1,P2症例でもS3,N3の合併がなければ積極的に切除し,他の非治癒因子が残らないように努力する方針である.
索引用語
Borrmann 4型胃癌, 胃癌に対するAppleby手術
別刷請求先
田村 聡 〒232 横浜市南区浦舟町3-46 横浜市立大学医学部第1外科
受理年月日
1986年6月3日
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