原著
食道静脈瘤の直視下直達手術後の再発機構について
山本 貞博, 竹重 言人, 荒川 敏之, 小島 洋彦, 河合 庸仁, 小島 卓, 鈴木 寛路, 長谷川 誠, 田中 信臣
愛知医科大学第1外科
食道静脈瘤の手術的消滅は,術中内視鏡使用による直視下直達手術で確実になった.
しかし術後長期観察中に一部症例では静脈瘤再発はさけ難いので,その機構と対策を求め,1978年以降直視下に手術した胃上部切除25例,胃上部横断26例,EEA胃上部切除29例の計80症例を検討した.
再発は予防手術7例中3例,治療手術73例中21例あり,術前の局在性はLsの症例が多く,胃上部横断術に頻度が高かった.また再発時期は不定,再発程度は術前またはそれ以下で増悪例はなかった.
静脈瘤の術後再発には,肝門脈側の循環異常増悪,局所血行の再建状態と排出血の経路特徴が関与するので,これらに対して集学的管理を要する.
索引用語
食道静脈瘤, 直視下直達手術, 胃上部切除術, 静脈瘤再発機構, 門脈圧亢進症
別刷請求先
山本 貞博 〒480-11 愛知県愛知郡長久手町大字岩作字雁又21 愛知医科大学第1外科
受理年月日
1986年10月15日
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