会長講演
Oddi筋の外科臨床
小野 慶一
弘前大学第2外科
Oddi括約筋の胆道生理上に果す役割について検討するとともに胆道drainage手段としての経十二指腸括約筋形成術(TSP)症例の長期follow upを行いその有効性を再確認した.すなわち臨床例により胆汁排出におけるOddi筋のperistaltic pump説の誤りであること,またOddi筋とmigrating motor complexとの相関を観察することにより同筋の十二指腸よりの独立性をそれぞれ明らかにした.さらにOddi筋に対する各種消化管ホルモンの作用を明らかにするとともに,摂食時におけるOddi筋運動の多様性をscintigraphyにより具体的に明示した.
TSP施行後3年以上経過した胆膵疾患117例の長期follow upによりその有劾率は83.7%であることを述べた.
索引用語
Oddi筋, migrating motor complex, 消化管ホルモン, 胆道シンチグラフィー, 経十二指腸括約筋形成術
別刷請求先
小野 慶一 〒036 弘前市在府町5 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
1986年12月10日
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