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第20巻 第3号 1987年3月 [目次] [全文 ( PDF 800KB)]
宿題報告

肝硬変合併例における術後の病態と対策

川原田 嘉文

三重大学第1外科

 最近9年間に教室で手術を行った肝硬変合併例146例を対象とし,術後における 1.合併症の発生頻度とMOF 2.呼吸障害の病態 3.肝障害の病態 4.凝固線溶系障害 5.消化管出血などを検索し,さらに 6.術後合併症に対する栄養面よりの検討も行った.
 術後合併症としては心肺合併症,肝障害兼肝不全がそれぞれ26.5%,24.7%と高率で,ほかに消化管出血,腎障害ならびにDICなどが多く,また15例(10.3%)にMOFの発生が認められた.したがって肝硬変合併例の術後管理に際しては心,肺,腎,凝固線溶系障害,消化管出血などの重要臓器障害の病態を早期に把握して,集中的な管理を行うとともに十分な栄養補給が重要である.

索引用語
術後合併症, 肝硬変合併例, 多臓器障害, 肝切除

日消外会誌 20: 688-695, 1987

別刷請求先
川原田嘉文 〒514 津市江戸橋2-174 三重大学医学部第1外科

受理年月日
1986年12月10日

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