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第20巻 第3号 1987年3月 [目次] [全文 ( PDF 986KB)]
宿題報告

直腸癌への低位前方切除術適応の限界

今 充

弘前大学医学部第2外科

 直腸癌への低位前方切除術の適応限界につき,主として5年生存率と機能障害の面から直腸切断術と対比しながら述べた.
 日常生活に大きな支障のない排便機能をえるには,肛門管とそれを構成する筋群を温存しなければとの理解から,その部に癌が遺残せぬと判断した直腸癌すべてに本術式を適応としてきた.その結果,治癒手術296例中187例に施行され,下部直腸癌の5年生存率は78.8%で直腸切断術の62.5%と比べても遜色なく,排便機能も大きな支障をきたした症例はみられなかった.
 排尿,性機能を温存するには自律神経温存術を考えざるをえず,適応に種々の制限があり,超音波吸引装置の応用も考えられる.

索引用語
低位前方切除術, 下部直腸, 術後機能障害

日消外会誌 20: 696-704, 1987

別刷請求先
今 充 〒036 弘前市在府町5 弘前大学医学部第2外科

受理年月日
1986年12月10日

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