原著
各種食道疾患における食道内圧の検討
村上 卓夫, 石上 浩一, 水田 英司, 岡 正朗, 丹黒 章, 富永 博, 清水 暢, 林 弘人
山口大学第2外科
食道裂孔ヘルニア12症例の術後(Nissen法)の食道・胃接合部内圧頂値は,術前25.0±2.56 cmH2Oから31.4±5.33 cmH2Oに上昇した.術中内圧測定は,術後成績を予測するのに有用であると思われた.
食道アカラシア11症例の術後(Jekler-Lhotka法)内圧は,術前の42.7±3.31 cmH2Oの高値から18.1±2.33 cmH2Oと著明に低下した.
食道静脈瘤に対しての経胸経腹的食道離断20症例の検討では,術後早期にはT.G.刺激に対する内圧亢進作用は減弱していたが,術後3カ月ごろより次第に回復する傾向を示した.一方EEAによる14症例の経腹的食道離断術では,術後早期からT.G.刺激に反応を示した.そのほかに再建胃管および再建結腸管の運動機能についても検討を加えた.
索引用語
食道内圧, 食道アカラシア, 食道裂孔ヘルニア, 食道静脈瘤, 食道再建臓器
別刷請求先
村上 卓夫 〒755 宇部市小串1144 山口大学医学部第2外科
受理年月日
1986年6月16日
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