原著
再発胃癌症例におけるbiological response modifierの胸管リンパ球におよぼす影響について―溶連菌製剤OK-432の検討―
花上 仁, 黒澤 努, 北野 善昭, 宮川 貞昭, 根本 明久, 箭本 浩, 浅越 辰男, 四方 淳一
帝京大学第1外科
再発胃癌9例において,溶連菌製剤OK-432の免疫療法を行い,治療前および治療開始後4週に胸管リンパ球(TDL)と末梢血リンパ球(PBL)を採取し免疫学的検索を行った.治療前ではTDLはPBLに比較しT/B細胞比は高く,Tγ細胞比は有意(p<0.05)に低く,リンパ球幼若化率は有意(p<0.05)に高く,Natural killer細胞活性は有意(p<0.01)に低かった.治療後4週ではT/B細胞比とTγ細胞比は有意の変動を示さなかったが,リンパ球幼若化率はTDLでは有意に(p<0.05)に低下しPBLでは変化しなかったので両者の間に有意差は認められなかった.Natural killer細胞活性は両者において有意(p<0.05)に増強された.
索引用語
胸管リンパ球, 再発胃癌, biological response modifier, 胃癌免疫療法, 溶連菌製剤
別刷請求先
花上 仁 〒259-11 伊勢原市望星台 東海大学医学部第2外科
受理年月日
1986年6月16日
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