原著
小児潰瘍性大腸炎手術例の検討
戸田 守彦, 佐々木 巖, 今村 幹雄, 成井 英夫, 内藤 広郎, 土屋 誉, 舟山 裕士, 加藤 三博, 神山 泰彦, 鈴木 祥郎
東北大学第1外科(主任:佐藤寿雄教授)
当教室で1961年より1985年までに経験した潰瘍性大腸炎手術例53例のうち手術時年齢15歳以下の小児期手術例5例について検討を加えた.男女比は4:1で平均年齢は13.4歳である.全例が全大腸炎型,重症例で(準)緊急手術が3例に,待期手術が2例に施行された.手術死亡は14歳男性で他の4例は手術により早期に社会復帰し,発育にも改善を認めた.これらの遠隔成績は比較的良好であり,発育期の重要な時期にあっていたずらに保存的治療に拘泥すべきではなく積極的な外科治療を行ってよいと考えられた.また小児期の特殊性としてとくに精神面を含めた術後の遠隔時での管理の重要性が示唆された.
索引用語
小児潰瘍性大腸炎の遠隔成績, 小児潰瘍性大腸炎の手術成績, 小児潰瘍性大腸炎の手術術式
別刷請求先
戸田 守彦 〒980 仙台市星陵町1-1 東北大学医学部第1外科
受理年月日
1986年7月9日
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