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第20巻 第3号 1987年3月 [目次] [全文 ( PDF 652KB)]
原著

進行大腸癌に対する骨盤内臓器全摘術症例の検討

菅野 康吉, 影山 隆久, 遠山 隆夫, 稲垣 宏, 田村 洋一郎, 斉藤 英夫

国立霞ケ浦病院外科

 骨盤内臓器全摘術を施行した進行大腸癌8例について検討を加えた.過大な手術侵襲に対する対策としてSwan-Ganzカテーテルによる術後管理が有効であった.血行動態の変化は出血量3,000 ml以上の症例では著明であったが,一方高齢者であっても適切な術後管理を行えば安全に手術が施行可能と考えられた.強度の炎症あるいは膿瘍を合併する例では肉眼所見から浸潤範囲,リンパ節転移の有無などの正確な判定は困難であった.死亡3例はいずれも局所再発によるものであり平均生存期間は12カ月で,内訳は広範な他臓器浸潤,腹膜転移陽性例,リンパ節転陽性例,未分化癌症例などであった.

索引用語
進行大腸癌, 骨盤内臓器全摘術, Swan-Ganzカテーテル

日消外会誌 20: 772-777, 1987

別刷請求先
菅野 康吉 〒160 新宿区信濃町35 慶応義塾大学医学部外科

受理年月日
1986年7月9日

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