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第20巻 第3号 1987年3月 [目次] [全文 ( PDF 1012KB)]
原著

成分栄養を主成分とする下部消化管手術術前食の工夫と限界

竹井 信夫

和歌山県立医科大学消化器外科教室(主任:勝見正治教授)

 成分栄養はcolonic preparationにも用いられているが,味,臭いに問題がある.著者はEDを主体とした実験食をラットに投与し,投与期間,全身的および局所的影響の検討を行った.さらに実験食を経口摂取が容易な固型食に工夫し,下部消化管手術に応用し,その有用性と限界について検討した.その結果,実験食を4日間投与するとEDと同様に糞便量も,Escherichia coliも有意に減少し,吻合創の耐圧試験,張力試験,核酸量にも差はなかった.本法はcolonic preparationに有用で臨床的にも狭窄がなければ4日で十分であった.狭窄度と投与期間の検討からえられた線形判別式により,必要な投与期間や本法の限界がわかった.

索引用語
成分栄養, 下部消化管手術, 下部消化管手術術前食, 癌性狭窄, colonic preparation

日消外会誌 20: 778-787, 1987

別刷請求先
竹井 信夫 〒596 岸和田市南上町1-48-5 寺田万寿病院外科

受理年月日
1986年6月16日

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