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第20巻 第4号 1987年4月 [目次] [全文 ( PDF 375KB)]
原著

実験的胃癌発生に及ぼす妊娠・分娩・哺乳の影響

古河 洋, 岩永 剛, 建石 竜平, 谷口 春生

大阪府立成人病センター外科, 病理

 NG(N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine 50 µg/ml+0.04%Tween 60)を生後4週齢のWistar系雌性ラットに4カ月間投与し,妊娠・分娩・哺乳の発癌に対する効果を検討した.12カ月後の発癌率をみると,NG投与のみの群((1)群,発癌率0%)にくらべて,途中4カ月目~5カ月目に妊娠・分娩させる群((2)群,33%)や,さらに哺乳させる群((3)群,18%)では有意に発癌率が高かった(p<0.05).また,妊娠中にはびらんの程度がもっとも軽度であった.さらにEP(エストロゲン+プロゲステロン)投与により発癌がみられたことから,妊娠・分娩(哺乳)による雌ラットの発癌率の増加は,妊娠から分娩に至る変化,とくに性ホルモンの変化が原因と考えられた.

索引用語
実験胃癌, 発癌と妊娠, 発癌促進因子

日消外会誌 20: 856-859, 1987

別刷請求先
古河 洋 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科

受理年月日
1986年7月9日

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