原著
大腸癌のリンパ節転移に関する検討―Clearing法および触診法を用いて―
木村 修, 水沢 清昭, 菅沢 章, 川角 博規, 竹林 正孝, 西土井 英昭, 貝原 信明, 古賀 成昌
鳥取大学医学部第1外科
大腸癌のリンパ節郭清,切除範囲を検討するため,進行大腸癌54例に対しクリアリング法および触診法を用いてリンパ節転移図を作製し,リンパ節転移様式を検討した.
結腸癌36例においては,腸管軸方向への転移は癌腫辺縁より4 cm以内の癌腫近傍に限られており,中枢方向への転移は転移陽性リンパ節の28.3%に認められ,中枢方向への十分な郭清が必要と考えられた.また,直腸癌18例においては,口側腸管軸方向への転移が転移陽性リンパ節の61.3%と高率に認められたが,肛門側への転移は認められず,上行リンパ流に遮断がみられない場合,肛門側切除腸管は2~3 cmの狭い範囲でも十分であると考えられた.
索引用語
結腸癌リンパ節転移, 直腸癌リンパ節転移, リンパ節クリアリング法, リンパ節触診法, 大腸癌切除範囲
別刷請求先
木村 修 〒683 米子市西町36-1鳥取大学医学部第1外科
受理年月日
1986年7月9日
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