特集
Child法再建による膵頭十二指腸切除術―術後の病態と社会復帰状況について―
松野 正紀, 今村 幹雄, 武田 和憲, 宮下 英士, 宮川 菊雄, 佐藤 寿雄
東北大学第1外科
教室で経験した膵頭十二指腸切除術151例のうち,Child法に準じた消化管再建術を施行した149例について術後の病態,社会復帰状態について検討した.広範囲胃切除の併施により本術式後の消化性潰瘍の発生は予防できると考えられた.本術式では消化管ホルモンの宝庫が切除されることになり,術後早期には,各種消化管ホルモンの分泌低下,膵内外分泌機能の低下とそれによる代謝異常が生ずるが,残膵機能保持に細心の注意を払うことにより,Child法再建による膵頭切除術では比較的質の高い術後の社会生活が期待できるものと思われた.
索引用語
膵頭十二指腸切除術, 消化管ホルモン, 社会復帰状況
別刷請求先
松野 正紀 〒980 仙台市星陵町1-1 東北大学医学部第1外科
受理年月日
1986年11月7日
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