特集
当科における膵頭十二指腸切除後の再建法およびそれら長期生存例の術後病態の検討
中山 和道, 内田 立生, 友田 信之, 西村 祥三, 中山 陽城, 古賀 道弘
久留米大学第2外科
空腸瘻造設Whipple変法57例,Child変法96例など計161例の直接死亡率は4.3%であった.膵空腸吻合法では,端側吻合の膵管拡張例には膵管空腸粘膜吻合法を,非拡張例には膵管空腸内挿入法を行い,端々吻合では膵断端嵌入法を施行し好結果を得ている.現在79例連続直接死亡はなく重篤な合併症もみていず,手術手技的な面では十分満足している.長期生存例の病態ではWhipple法にくらべChild法の方が体重,膵内分泌,消化吸収においてやや良い傾向で,挙上空腸の胆汁停滞が著しいほど残膵機能への影響が示唆されたが,両法ともに全般的にみると満足すべき状態であった.Whipple法,Child法も膵頭十二指腸切除後の良い再建法である.
索引用語
膵頭十二指腸切除術後再建法, 膵空腸吻合法, 膵頭十二指腸切除例の術後長期病態
別刷請求先
中山 和道 〒830 久留米市旭町67 久留米大学医学部第2外科
受理年月日
1986年11月7日
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