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第20巻 第4号 1987年4月 [目次] [全文 ( PDF 492KB)]
特集

膵頭十二指腸切除後の再建法の消化吸収能よりみた検討とその栄養管理について

永川 宅和, 竹下 八州男, 小西 一朗, 八木 雅夫, 上野 桂一, 秋山 高儀, 萱原 正都, 宮崎 逸夫

金沢大学第2外科

 教室では,種々の検討から膵癌に対し拡大郭清術を施行してきた.しかし,これにともなって下痢を中心とする栄養障害が発来することから,その対策の1つとしてPD III法の再建術式を採用するようになった.拡大郭清術における術後の消化吸収能をみると,131I-Triolein試験,D-xylose試験,PFD試験ともにその障害は大で,長期にみてもその回復は遅れたが,膵内分泌能では特別なことはいえなかった.PD II法とPD III法の術後消化吸収能を比較すると,D-xylose試験においてPD III法では,1.24±0.36 gとPD II法の0.72±0.21 gに比し,有意に高値を示した.膵内分泌能では両者間に差異を認めなかったが,胆道シンチの胆汁流出状態ではPD III法の方が優れた結果がえられた.以上拡大郭清膵切除術後の再建法としてPD III法がPD II法に比し良好であると考えられた.

索引用語
膵頭十二指腸切除術後の消化吸収能, 膵頭十二指腸切除後の膵内分泌能, 膵頭十二指腸切除後の栄養管理

日消外会誌 20: 925-929, 1987

別刷請求先
永川 宅和 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科

受理年月日
1986年11月7日

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