特集
膵頭十二指腸切除術における消化管再建法の検討
白部 多可史, 尾形 佳郎*, 高橋 伸, 神徳 純一, 古内 孝幸, 前田 京助, 都築 俊治, 阿部 令彦
慶應義塾大学外科, *栃木県立がんセンター外科
膵頭十二指腸切除後消化管再建法(Child法15例・Child Roux-en Y法55例・今永I法48例・幽門輪保存Child法26例・Whipple法1例の計145例)を合併症と,食物と胆汁の混合面より見た消化吸収機能を中心に検討を加えた.
合併症発生率・手術死亡率には各再建術式間に有意の差を認めなかった.また胆道―消化管同時シンチグラムによる食物と胆汁の混合状態はBillroth I型式である今永I法がBillroth II型式であるChild Roux-en Y法より良好であった.さらにまた消化吸収能の改善を目的とした幽門輪保存術式(全胃温存術式)は,従来の術式に比べ術後の体重増加が著しく良好であり,適応により施行すれば癌に対する根治性も損なわれない優れた再建法である.
索引用語
膵頭十二指腸切除術, 幽門輪保存膵頭十二指腸切除術, 胆道・消化管同時シンチグラム
別刷請求先
白部多可史 〒160 新宿区信濃町35 慶應義塾大学医学部外科
受理年月日
1986年11月7日
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