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第20巻 第4号 1987年4月 [目次] [全文 ( PDF 401KB)]
特集

胃上部癌の手術方針―噴門側切除か胃全摘か―(リンパ節転移からみた検討)

矢吹 英彦, 佐々木 廸郎

国立札幌病院北海道がんセンター外科

 昭和44年から57年までに経験した胃癌切除例に対して,当科における胃全摘例から算出した小弯平均距離14.9 cm,大弯平均距離45 cmをふまえ,X線写真,切除標本などから腫瘍の局在の厳密な再検討を行った結果,上部胃癌は181例となった.それらの症例に対し5番・6番リンパ節転移率の検討,および噴切例,全摘例の手術成績の比較を行い以下の結論をえた.
 1.C,Ce癌46例に5番・6番への転移はなく,Mに及んだ癌65例では4番30.8%,5番7.7%,6番12.3%の転移を認めたが,そのほとんどが非治癒手術例であった.2.C,Ce癌の治癒手術例では,噴切33例と全摘14例に予後の差はなかった.3.X線写真上の占拠部位と切除標本上の占拠部位に一致しない例があった.

索引用語
胃上部癌, 噴門側胃切除術, 幽門周囲リンパ節転移率

日消外会誌 20: 943-946, 1987

別刷請求先
矢吹 英彦 〒003 札幌市白石区菊水4条2丁目 国立札幌病院北海道がんセンター外科

受理年月日
1986年11月7日

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