特集
胃上部癌の発育・進展様式からみた噴門側切除の適応
山田 真一, 岡島 邦雄, 冨士原 彰, 安田 正幸, 革島 康雄, 磯崎 博司, 桜本 邦男, 平松 昌子, 計田 一法
大阪医科大学一般・消化器外科
胃上部癌に対する噴門側切除術の適応を検討する目的で,胃上部癌59例を,噴門部癌23例と非噴門部癌36例に分け,リンパ節転移,胃上部癌の発育・進展様式,遠隔成績から検討した.その結果根治性を失わないための胃上部癌に対する噴門側切除の適応としては,壁内進展の面からは,胃上部に限局し,漿膜浸潤は認めず,腫瘍長径4 cm未満,さらに肛門側切離線まで表在癌2 cm,限局型3 cm,浸潤型5 cmの距離を保つことと考えられた.またリンパ節転移からは,No.5,No.6,No.4dリンパ節に転移のない場合と考えられ,No.5リンパ節との関連からNo.3リンパ節への転移も重要な適応決定因子となると考えられた.
索引用語
噴門側胃切除術, 胃上部癌, 噴門部癌
別刷請求先
山田 真一 〒569 高槻市大学町2-7 大阪医科大学一般・消化器外科
受理年月日
1986年11月7日
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