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第20巻 第4号 1987年4月 [目次] [全文 ( PDF 434KB)]
特集

胃上部癌に対する胃全摘出術の意義と噴門側胃切除術適応の有無

小玉 雅志, 小山 研二, 成沢 富雄, 石川 浩一, 高橋 政弘

秋田大学医学部第1外科

 教室の胃上部癌78例に対する胃全摘出術の術後合併症,予後は諸家の成績と同等であった.また,胃上部癌に限らず,胃全摘後ρ and Roux-Y法で再建された患者57名のアンケート調査から,術後愁訴は軽度でquality of lifeは十分満足できるものであることがわかった.
 胃上部癌に対する胃全摘症例のリンパ節転移,深達度,腫瘍長径などを検討し,表在癌か長径4 cm未満のS0症例ならば噴門側胃切除術を行ったとしても胃全摘出術と同等の根治性が得られるとの結果を得た.噴門側胃切除術の術後生体機能に対する利点を考慮し,安全で愁訴の少ない再建法を選択採用するならば,これらの症例に対し噴門側胃切除術の適応があると考えられる.

索引用語
胃全摘出術, 噴門側胃切除術, 胃上部癌

日消外会誌 20: 961-964, 1987

別刷請求先
小玉 雅志 〒010秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部第1外科

受理年月日
1986年11月7日

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