原著
乳酸値,および酸素飽和度測定による食道再建用胃腸管のviability判定に関する臨床的研究
二宮 健次, 西平 哲郎, 丹 正義, 北村 道彦, 平山 克, 河内 三郎, 加納 正道, 赤石 隆, 佐藤 智, 関根 義人, 葛西 森夫
東北大学第2外科
食道再建用胃腸管壁血液中の乳酸値を測定し,動脈血中乳酸値との較差(ΔLa値)を求めこの値がviability判定に有用か否かを臨床的に検討した.またpan-oximeterを用いて再建用臓器表面の酸素飽和度(SaO2値)を測定し,ΔLa値,およびSaO2値が縫合不全の有無といかに関係しているかを検討した.食道癌52例,胃癌3例を対象として,ΔLa値ないしは,SaO2値を測定した.
ΔLa値は縫合不全例では高い値を示し,viability判定に有用であり,1.0 mmol/l以上で縫合不全発生率が高くなった.また,SaO2値では50%以下で縫合不全発生率が高くなった.
索引用語
胃腸管のviability判定法, 食道再建臓器, 胃腸管壁血液中乳酸値, 組織酸素飽和度
日消外会誌 20: 1004-1009, 1987
別刷請求先
二宮 健次 〒983 仙台市大和町2-29-1 東北逓信病院外科
受理年月日
1986年9月3日
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