原著
大腸癌の肝転移に対する切除例の検討
山口 明夫, 熊木 健雄, 関野 秀継, 桐山 正人, 冨田 冨士夫, 小坂 健夫, 泉 良平, 宮崎 逸夫, 高島 茂樹1)
金沢大学第2外科, 金沢医科大学一般消化器外科1)
大腸癌初回手術時肝転移合併切除9例,再発肝転移切除9例の計18例について検討を加えた.初回手術時肝転移9例中8例がH1で,その個数はすべて単発であったのに対し,再発例ではH1 6例中4例が多発性であり,かつ腫瘍径も大きい傾向がうかがわれた.切除術式としては,初回手術時肝転移で部分切除が再発例で系統的肝切除が選択される傾向にあり,その予後は前者の平均生存期間37.3カ月以上,5年生存率50%,後者の平均生存期間21.3カ月以上,3年生存率50%とかなり良好であった.また2例に5年以上の長期生存例が得られ,肝転移切除は大腸癌肝転移に対して,極めて有効であると考えられた.
索引用語
大腸癌肝転移, 大腸癌肝転移巣診断, 肝切除, 再発肝転移切除, 大腸癌肝合併切除
日消外会誌 20: 1055-1059, 1987
別刷請求先
山口 明夫 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科
受理年月日
1986年9月3日
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