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第20巻 第6号 1987年6月 [目次] [全文 ( PDF 992KB)]
原著

食道癌患者の非特異的細胞性免疫能に関する臨床的研究―術前照射と手術侵襲の影響について―

中田 芳孝

杏林大学医学部第2外科学教室(指導:鍋谷欣市教授)

 食道癌治療において,術前照射と手術という一連の侵襲が非特異的細胞性免疫能に与える影響はいまだ十分検討されていない.食道癌患者108例を対象として,未治療時,照射後,術後にin vitro,in vivoで非特異的細胞性免疫能検査を行い,以下の結果を得た.(1)術前照射群では非照射群に比べて,特に術後1カ月の免疫能低下が顕著となったが,2カ月後にはほぼ同水準となった.(2)Concanavalin A/Phytohemagglutinin(ConA/PHA)比は,術後1カ月において,照射群に有意な上昇(p<0.01)がみられたが,2カ月後には両群ともほぼ同水準となった.(3)術後2カ月までは,治癒切除,非治癒切除間の免疫能の変動差に一定の傾向がみられなかった.

索引用語
食道癌非特異的細胞性免疫能, 食道癌術前照射

日消外会誌 20: 1144-1152, 1987

別刷請求先
中田 芳孝 〒181 三鷹市新川6-20-2 杏林大学医学部第2外科

受理年月日
1986年10月15日

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