原著
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の評価とその適応
吉川 和彦, 曽和 融生, 浅井 毅, 坂口 茂, 田中 俊司, 加藤 保之, 山下 隆史, 梅山 馨
大阪市立大学第1外科
1979年1月から1985年4月の間に内視鏡的硬化療法を行った79症例の成績について検討を加えた.C,F,L,因子の改善率はそれぞれ,29%,54%,23%で,Red wale marking,Cherry red spot,Hematocystic spot所見ではそれぞれ,79%,78%,80%に改善がみられた.また,緊急出血時の止血効果は83%であった.R-C signの消失率は手術後残存再発例61%,手術不能例38%であり,施行終了後1年以内の出血率はそれぞれ,5%,20%であった.両者の累積生存率の比較では,1生率は95%,73%,3生率では70%,50%といずれも術後残存再発例で良好であった.したがって,硬化療法は緊急出血時の止血効果にすぐれ,また,手術後残存再発例に有用で,手術不能例にも適応があると思われた.
索引用語
食道静脈瘤, 内視鏡的硬化療法, 硬化療法の適応と予後
日消外会誌 20: 1623-1630, 1987
別刷請求先
吉川 和彦 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-5-7 大阪市立大学医学部第1外科
受理年月日
1986年10月15日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|