原著
胃癌穿孔8症例の病態と病理組織学的穿孔様式
大澤 二郎, 東出 俊一, 玉川 正明, 矢田貝 凱, 小口 光昭, 篠田 正昭, 白石 隆祐1), 村田 透2)
朝日大学村上記念病院外科, 京都大学第1外科1), 兵庫医科大学胸部外科2)
過去8年間の胃癌穿孔自験例8例中にはきわめてまれとされる早期癌穿孔2例のほか,報告の少ないlinitis plastica型胃癌穿孔1例も含まれており,その臨床上の病態報告とともに病理組織学的検索により分類しえた穿孔様式について報告した.8例の男女比は7:1,年齢は31~77歳で,手術は胃切除術7例,大網引込み閉鎖術1例の内訳で,半数に肉眼的相対治癒切除を行えた.4例が術後1カ月,9カ月,10カ月,1年8カ月で死亡,4例が1カ月,2年1カ月,2年5カ月,5年4カ月の現在生存中である.
病理組織学的には,stage IV,seの進行癌4例が直接穿孔型,stage Iの4例が間接穿孔型で,このうち早期癌2例は辺縁潰瘍穿孔型で,Borrmann(以下Borr.と略す)2型1例,Borr.3型1例の2例は中心潰瘍穿孔型であった.
索引用語
胃癌穿孔, 早期癌穿孔, linitis plastica型胃癌穿孔
日消外会誌 20: 1676-1681, 1987
別刷請求先
大澤 二郎 〒500 岐阜市橋本町3丁目23番地 朝日大学村上記念病院外科
受理年月日
1986年11月12日
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