原著
胃癌,大腸癌におけるtissue polypeptide antigenの臨床的意義について
山田 哲司, 中島 久幸, 大平 政樹, 九沢 豊, 疋島 寛, 川浦 幸光, 岩 喬
金沢大学第1外科
Tissue polypeptide antigen(TPA)の胃癌,大腸癌における腫瘍マーカーとしての臨床的意義に検討を加えた.対象は胃癌32例,大腸癌24例計56例である.両疾患とも取扱い規約によるIII,IV期症例では,対照健康成人に比べ有意に高い血清PTA値を示したが,I期症例においては有意はなかった.また血清TPA値は,壁深達度,リンパ節転移,脈管侵襲の有無,肝転移の有無などと相関が認められた.
以上より血清TPA値測定は,他の検査法と併用することにより癌のスクリーニングや,病勢診断に役立つと思われた.
索引用語
tissue polypeptide antigen, 腫瘍マーカー, 胃癌, 大腸癌
日消外会誌 20: 1690-1696, 1987
別刷請求先
山田 哲司 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第1外科
受理年月日
1986年10月15日
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