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第20巻 第7号 1987年7月 [目次] [全文 ( PDF 356KB)]
原著

肝阻血とthromboxaneに関する基礎的研究

花井 拓美, 由良 二郎, 橋本 俊

名古屋市立大学第1外科

 肝阻血の病態を知る目的で血液凝固系とくにthromboxaneとの関係に注目し以下の動物実験を行った.方法220~300 g SDラット使用.1.シヤム群,2.肝阻血群,3.OKY046(thromboxane合成酵素阻害剤)投与肝阻血群に分け実験を行った.各群にて血中thromboxane B2(TXB2),血小板凝集能,その他のパラメーターを測定した.
 成績:TXB2は肝阻血群(496±306 pg/ml)でシャム群(131±67 pg/ml)に比べ高値を示したが,OKY群では正常値となった.血小板凝集能はOKY群で抑制された.OKY群では肝阻血所見が組織学的に改善された.
 結論:ラット肝阻血により誘発されたthromboxane上昇は肝阻血時の肝障害に関与していると推察された.

索引用語
肝阻血, 血小板凝集能, thromboxane B2, OKY046

日消外会誌 20: 1697-1700, 1987

別刷請求先
花井 拓美 〒467 名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 名古屋市立大学第1外科

受理年月日
1986年10月15日

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