原著
潰瘍性大腸炎に対するcontinent ileostomy後の腸内細菌叢について
佐々木 巌, 成井 英夫, 舟山 裕士, 内藤 広郎, 戸田 守彦, 鈴木 祥郎
東北大学第1外科(主任:佐藤寿雄教授)
潰瘍性大腸炎に対する全大腸摘出兼回腸瘻造設でのcontinent ileostomy(以下,Kock法)3例とend ileostomy 4例を対象として糞便中の細菌叢について比較検討した.Kock法では総菌数および嫌気性菌数・好気性菌数の比ともend ileostomyに比べて健康人の糞便細菌叢に近い値を示した.菌群についてみると,好気性菌は両術式間で差を認めないが,嫌気性菌はKock法が健康人に近かった.E.coliはKock法で全例検出されたが,end ileostomyでは4例中1例のみに検出された.回腸瘻の腸内細菌叢についてみると,Kock法はend ileostomyに比べ大腸化の傾向が認められた.
索引用語
潰瘍性大腸炎, continent ileostomy, end ileostomy, 腸内細菌叢
日消外会誌 20: 1718-1722, 1987
別刷請求先
佐々木 巌 〒980 仙台市星陵町1-1 東北大学医学部第1外科
受理年月日
1986年10月15日
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