原著
大腸癌再発例の臨床的検討
池 秀之, 大木 繁男, 大見 良裕, 辻仲 康伸, 田島 滋, 飯田 明, 城 俊明, 山岡 博之, 古島 薫, 大出 直弘, 土屋 周二
横浜市立大学第2外科
大腸癌根治手術後の再発の防止および早期発見による治療成績の向上を目的として治癒手術後3年以上経過例における再発について検討を行った.再発は415例中145例(34.9%)にみられ約80%は2年以内,約90%は3年以内にみられた.再発形式は結腸癌では肝再発が半数をしめ,直腸癌では局所再発が最も高頻度であった.再発後5年生存例は3例のみであり,再発死亡例129例の平均生存期間は11.6カ月であった.carcinoembryonic antigen,computed tomographyの導入により特に肝再発の切除率の向上がみられ,再発巣の切除により生存期間が延長したと考えられる症例もあり,腫瘍マーカー測定や画像診断などによる定期的なフォローアップを行い早期に再発を診断することが重要であると考えられた.
索引用語
大腸癌の再発, 大腸癌の肝転移再発, 大腸癌の局所再発, 大腸癌再発巣の切除
日消外会誌 20: 1723-1731, 1987
別刷請求先
池 秀之 〒232 横浜市南区浦舟町3-46 横浜市立大学医学部第2外科
受理年月日
1986年9月3日
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