原著
70歳以上高齢者大腸癌の臨床病理学的検討
及川 隆司, 長谷川 正義, 中西 昌美, 後藤 洋一, 工藤 正純
市立札幌病院外科
70歳以上の高齢者大腸癌の臨床病理学的特徴を明らかにするため,30歳以上70歳未満の成人症例と比較検討した.成人例と異なり,高齢者大腸癌の50%は右側結腸に発生し,70.6%が女性であった.高齢者の右側結腸癌の23.5%は浸潤型であるBorrmann 3,4型であったが,成人症例では逆に左側結腸,直腸肛門癌に漫潤型が多くそれぞれ25.9%,22.5%であった.治癒切除例の肉眼癌型別の生存率では高齢者の浸潤型はstageの進行程度も高く予後が悪かった.さらに高齢者右側結腸癌の5年生存率は21.6%と最も予後が悪かった.
索引用語
高齢者大腸癌, 右側結腸癌, 浸潤型大腸癌
日消外会誌 20: 1732-1738, 1987
別刷請求先
及川 隆司 〒060 札幌市中央区北1条西9丁目 市立札幌病院外科
受理年月日
1986年10月15日
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