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第20巻 第7号 1987年7月 [目次] [全文 ( PDF 863KB)]
原著

上部消化管術後における血漿製剤投与の意義

權 雅憲, 西 正晴, 渡辺 直, 平松 義文, 日置 紘士郎, 山本 政勝

関西医科大学外科学教室

 当教室にて根治手術を施行した食道癌6例,胃癌38例を対象とした.手術侵襲および血漿製剤投与量により6群に分類し,術後血漿製剤投与が蛋白代謝におよぼす影響について検討した.血漿製剤投与により血清蛋白,アルブミン値,血漿膠質浸透圧(COP)は良好に保持されたが,大侵襲症例におけるrapid turnover protein値は血漿製剤投与量に反比例し有意に低下していた.また術後窒素出納の検討においても血漿製剤投与量が増加するほど正への復帰が遅延するとともに尿中3-Methylhistidine(3-Mehis)排泄量でも良好な結果が得られなかったことから血漿製剤投与による蛋白代謝への好影響は認められなかった.

索引用語
血漿製剤, 消化管術後蛋白代謝, 消化管術後栄養管理, rapid turnover protein

日消外会誌 20: 1750-1758, 1987

別刷請求先
權 雅憲 〒570 守口市文園町1 関西医科大学外科

受理年月日
1986年11月12日

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