原著
Linitis plastica型胃癌の外科治療に関する検討
莫根 隆一, 野村 秀洋, 大久保 智佐嘉, 徳重 正弘, 帆北 修一, 福良 清貴, 面高 俊一郎, 高尾 尊身, 金子 洋一, 島津 久明
鹿児島大学第1外科
Linitis plastica型胃癌50例〔巨大皺襞(+)型:27例,巨大皺襞(-)型:23例〕について手術所見と遠隔成績との関係を臨床病理学的に検討した.腹膜播種性転移およびリンパ節転移ともに巨大皺襞(+)型が巨大皺襞(-)型に比べて高率であり,その予後は巨大皺襞(-)型が良好であった.一方,リンパ節転移の有無からみた予後は根治切除例でn(+)群がn(-)群に比べて良好であり,腹膜播種からみた予後は5年生存率でP0 10%,P1 15%と5年生存例の認められないP2・P3に比べて良好であった.以上より本型胃癌の治療成績を向上させるためには,腹膜播種が著明でなく(P1まで),遠隔リンパ節転移がなければ可能な限り腫瘍を切除する根治手術をすべきであると考える.
索引用語
Linitis plastica型胃癌
日消外会誌 20: 1844-1851, 1987
別刷請求先
莫根 隆一 〒890 鹿児島市宇宿町1208-1 鹿児島大学医学部第1外科
受理年月日
1986年12月10日
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