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第20巻 第8号 1987年8月 [目次] [全文 ( PDF 562KB)]
原著

Stage IV胃癌の外科治療における問題点

中根 恭司, 今林 伸康, 広実 伸郎, 畑埜 武彦, 日置 紘士郎, 山本 政勝

関西医科大学外科

 Stage IV胃癌手術症例212例を外科治療の立場から,予後の面より検討を加え以下の結果を得た.絶対非治癒切除であっても非切除例より予後が良好で,切除効果があるものと考えられた.しかしながらstage IVと判定された因子のうち,P2-3,H1-3,N4は単因子でも予後が不良であり,これらの症例に対してはあまり切除効果は期待できない.そこでstage IVを亜分類するとすれば,IVa,S3,N3,P1,H0,IVb;N4,P2-3,H1-3の2亜分類が適当と考えられた.術式別では切除例に関しては部分切除と全摘群の間に差はみられず,また全摘群のうち合併切除を行った方がむしろ予後が悪い傾向がみられた.一方非切除例に関しては単開腹と吻合術の間に差はみられなかった.

索引用語
stage IV胃癌, stage IV胃癌の亜分類, stage IV胃癌の外科治療

日消外会誌 20: 1852-1857, 1987

別刷請求先
中根 恭司 〒570 守口市文園町1番地 関西医科大学外科

受理年月日
1986年12月10日

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