原著
胃癌切除後の胆嚢運動機能の超音波学的検討
戸張 雅晴, 杉山 譲, 鈴木 英登士, 小沢 正則, 羽田 隆吉, 三上 泰徳, 遠藤 正章, 福嶋 貴, 今 充, 小野 慶一
弘前大学医学部第2外科
胃癌に対する胃全摘および胃亜全摘後の胆嚢運動機能をより生理的な手段である超音波診断装置を用いて経時的に検討した.対照群21例では最大収縮率62.2%を示し,空腹時胆嚢面積は12.9 cm2であった.術後早期27例は対照群に比べ最大収縮率35.7%と有意に収縮不良であり,空腹時胆嚢面積も15.9 cm2と有意に拡張していた.再建術式別でみるとρ吻合で収縮不良傾向が強く,空腹時胆嚢面積も他術式より拡張していた.術後後期34例では対照群に比べ差はなく最大収縮率64.3%と収縮良好であったが,空腹時胆嚢面積は15.3 cm2と有意に拡張していた.再建術式別では各術式間に差はなく良好な収縮を示した.なお,空腹時胆嚢面積はρ吻合で拡張傾向が強かった.
索引用語
胃癌切除後, 胆嚢運動機能, 胆嚢超音波診断装置, セルレイン
日消外会誌 20: 1863-1870, 1987
別刷請求先
戸張 雅晴 〒036 弘前市在府町5 弘前大学医学部第2外科
受理年月日
1986年11月12日
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