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第20巻 第8号 1987年8月 [目次] [全文 ( PDF 529KB)]
原著

肝移植無肝期における静脈―静脈bypassの凝固能に対する影響の実験的研究

松波 英寿, 鬼束 惇義, 福富 督, 矢野 好弘, 尾関 豊, 日野 晃紹, 広瀬 光男

岐阜大学第1外科

 イヌ同所性肝移植手術の無肝期に,われわれは静脈―静脈bypassを使用しているが,静脈―静脈bypassの凝固能にあたえる影響をみるため,また臨床の肝移植に際し使用されているBio-pump®と良く普及しているroller-pumpとの差をみるため,雑種成犬の門脈血,下大静脈血を上大静脈へ強制灌流し,凝固線溶能を検討した.roller-pump群は術前血小板数16.9±7.4がbypass後30分に13.2±5.5と有意に低下した.prothrombin timeも術前6.3±0.4がbypass後30分6.7±0.4と有意に延長した.Bio-pump®群も同様であった.血小板凝集能はroller-pump群が術前38.1±11%がbypass後1時間14.5±15と有意に低下した.凝血学的に判断してroller-pump群に比べBio-pump®群はやや有利であると判断された.

索引用語
肝移植, 血液凝固線溶系, 静脈一静脈bypass

日消外会誌 20: 1871-1876, 1987

別刷請求先
松波 英寿 〒500 岐阜市司町40 岐阜大学医学部第1外科

受理年月日
1986年12月10日

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