原著
再発様式および非治癒切除の要因からみた胆道癌外科治療の問題点
竜 崇正*, 山本 義一, 小出 義雄, 碓井 貞仁, 向井 稔, 有我 隆光, 長島 通, 高 在完, 天野 穂高, 古川 敬芳, 丸山 尚嗣, 小高 通夫, 磯野 可一
*千葉県がんセンター消化器科, 千葉大学第2外科
胆道癌228例について非治癒切除となった要因,治癒切除後の再発様式について検討した.切除率は胆管癌75%,胆嚢癌55%,乳頭部癌86%であるが,治癒切除率はそれぞれ47%,26%,83%と乳頭部癌を除き低率である.胆管癌では上部,中部で非治癒切除となる例が多くその要因はhw(+),ew(+)で,治癒切除後の再発死19例中14例が肝管断端再発である.胆嚢癌の非治癒の要因はhw(+),bw(+),ew(+),N>R(+)が多く,治癒切除後の再発死7例中4例が肝門部再発である.乳頭部癌は治癒切除後再発死6例中3例が肝再発3例がリンパ節再発であった.胆管癌,胆嚢癌ではpn(+)が再発の大きな要因となっており十分な胆管切除が,乳頭部癌では適切な郭清と化学療法が必要と思われた.
索引用語
胆道癌, 胆管癌, 胆嚢癌, 十二指腸乳頭部癌, 肝門部胆管癌
日消外会誌 20: 1898-1904, 1987
別刷請求先
竜 崇正 〒280 千葉市仁戸名町666-2 千葉県がんセンター消化器科
受理年月日
1986年12月10日
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