原著
術後急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢ドレナージの臨床的意義
梛野 正人, 近藤 成彦, 金井 道夫, 森 光平, 丹野 俊男, 向山 博夫, 栗木 浩
大同病院外科
過去2年8カ月間に術後急性胆嚢炎を7例経験した.7例とも右季肋部痛,発熱などの症状を有し,超音波検査では,胆嚢腫大,胆嚢壁肥厚,胆嚢内debris,Sonographic Murphy signなどの所見を認め,臨床所見および超音波所見より急性胆嚢炎の診断を正しく下すことができた.治療として超音波誘導による経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTCCD)を施行した.PTCCDに伴う合併症はなく,また,腎不全,敗血症にて死亡した1例を除いた6例では,PTCCD施行後数日で臨床所見の改善を認め,その予後は良好であった.PTCCDは安全かつ容易に施行でき,無石例の多い術後急性胆嚢炎の治療法の第1選択として適応されるべきであると考えられた.
索引用語
術後急性胆嚢炎, 経皮経肝胆嚢ドレナージ, 術後急性胆嚢炎の超音波診断
日消外会誌 20: 1905-1913, 1987
別刷請求先
梛野 正人 〒466 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部第1外科
受理年月日
1986年12月10日
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