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第20巻 第9号 1987年9月 [目次] [全文 ( PDF 495KB)]
原著

食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法後死亡例の検討

鋤柄 稔, 駒崎 敏郎, 尾本 良三

埼玉医科大学第1外科

 食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法(ST)施行後死亡例について臨床的分析を行った.ST症例は50例であったが,1カ月~3年1カ月の追跡期間中,26例(52%)がすでに死亡.このうち,入院死亡は16例,退院死亡が10例であった.入院死亡が多い理由の一つとして,多臓器不全の状態のChild C症例が多かったことがあげられた.Child AまたはBの吐血例(n:10)にはST後に手術(主として選択的シャント手術)が施行されたが,入院死亡となった例はなく,累積生存も2年で89%と良好であった.一方,STのみで退院した22例中9例(40.9%)がすでに死亡し,2年までの累積生存率は46%であった.退院後死亡例中,3例は出血が死因となっており,ST後の内視鏡による定期的チェックがのぞまれた.

索引用語
食道静脈瘤, 内視鏡的硬化療法予後

日消外会誌 20: 2088-2092, 1987

別刷請求先
鋤柄 稔 〒350-04 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38 埼玉医科大学第1外科

受理年月日
1987年1月14日

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