原著
再発死亡例からみた胃癌外科治療上の問題点
磯崎 博司, 岡島 邦雄, 冨士原 彰, 安田 正幸, 革島 康雄, 山田 真一, 桜本 邦男, 久保川 学
大阪医科大学一般・消化器外科
胃癌外科治療上の問題点を明らかにする目的で,1978年8月から1984年12月までに大阪医科大学一般・消化器外科教室で組織学的治癒切除を行った初発胃癌症例441例を対象とし,遠隔成績と再発形式を検討した.結果,絶対治癒切除ではps(-)群は血行性再発が,ps(+)群は腹膜再発が多かった.一方,相対治癒切除ではps(-)群はリンパ行性再発が多く,ps(+)群は再発形式に一定の傾向を認めなかった.主再発形式別に初回手術時の主病巣の特徴を検討すると,血行性再発は2型,分化型癌が,リンパ行性再発は2,3型,n2(+),n3(+)が,腹膜再発はps(+),3,4型,低分化型,INFγ,硬性型癌が多く,その再発防止策を考慮すべきであると考えられた.
索引用語
胃癌外科治療, 胃癌再発形式, 胃癌遠隔成績
日消外会誌 20: 2097-2102, 1987
別刷請求先
磯崎 博司 〒569 高槻市大学町2-7 大阪医科大学一般消化器外科
受理年月日
1987年2月18日
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