原著
閉塞性黄疸肝に対する肝切除術の検討―術後経過に関与する術前因子について―
塚本 賢治, 弘中 武, 鴻巣 寛, 園山 輝久, 野中 雅彦, 牧野 弘之, 土屋 邦之, 岡 隆宏
京都府立医科大学第2外科
閉塞性黄疸肝肝切除17例を対象として,術後経過に影響をおよぼすと考えられる術前因子(肝切除率,術前血清総ビリルビン値,減黄率b値,血清アルブミン値,プロトロンビン時間,ヘパプラスチンテスト,ICG R15,K,Rmax,50 g経口糖負荷試験)と術後経過との関連についてretrospectiveに検討を加えた.減黄率b値,血清アルブミン値,プロトロンビン時間の良好な症例では,術後順調に経過することが多かった.術前総ビリルビン値,ICG R15が高値を示した症例では手術死亡が多くみられた.50 g経口糖負荷試験において,正常型では全例術後順調に経過したが,linear型では手術死亡例が多く,これらの因子は肝切除術の術後経過を反映していると考えられた.
索引用語
閉塞性黄疸, 肝切除
日消外会誌 20: 2130-2135, 1987
別刷請求先
塚本 賢治 〒602 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第2外科
受理年月日
1987年1月14日
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