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第20巻 第9号 1987年9月 [目次] [全文 ( PDF 1093KB)]
原著

大腸癌における組織carcinoembryonic antigenの研究

遠藤 健

日本赤十字社医療センター消化器外科

 大腸癌73例を中心に,血中CEA値を規定する因子として組織CEAを定量し,同時にポリクローナル抗体とモノクローナル抗体による免疫組織染色で検討した.高中分化腺癌に比べて分化度の低い癌では組織CEA含量が少なく,染色性も低下し,血中CEA値も低かった.また高中分化腺癌でも組織CEAの染色性が低下している例では血中CEA値が低く,経過観察の指標としてのCEAの価値は低いと考えられた.原発巣と転移巣では組織CEA含量および染色性の差を認めなかった.モノクローナル抗体によるCEAの組織染色は,血中CEA値との相関性,癌の組織型による染色性の差などの点でポリクローナル抗体による組織染色よりすぐれていた.

索引用語
大腸癌組織CEA含量, 酵素抗体法, 抗CEAポリクローナル抗体, 抗CEAモノクローナル抗体

日消外会誌 20: 2168-2177, 1987

別刷請求先
遠藤 健 〒150 渋谷区広尾4-1-22 日本赤十字社医療センター消化器外科

受理年月日
1987年2月18日

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