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第20巻 第10号 1987年10月 [目次] [全文 ( PDF 801KB)]
原著

選択的近位迷走神経切離術後の再発原因に関する実験的研究―特にアドレナリン刺激の影響について―

和田 大助

徳島大学医学部第1外科学教室(主任:古味信彦教授)

 SPV後の再発原因となる因子の1つとして交感神経系に着目し,アドレナリン刺激(静注:0.5 µg/kg/min,皮下注:13 µg/kg)を実験犬24頭に施行,血清ガストリン値および胃酸分泌量を測定した.アドレナリン刺激によって門脈血および末梢血血清ガストリン値は刺激前値に比べて,それぞれ最高28.5%,26.7%上昇した.またSPV後にはさらに最高68.4%,60.0%上昇した.胃酸分泌量もSPV後にはコントロール犬に比べて増加した.その結果SPV後にはアドレナリン刺激によって,酸分泌,ガストリン放出が増大することから,再発の一因として交感神経系が関与していることが示唆された.

索引用語
消化性潰瘍, 選択的近位迷走神経切離術, アドレナリンテスト, ガストリン, 再発潰瘍

日消外会誌 20: 2278-2285, 1987

別刷請求先
和田 大助 〒770 徳島市蔵本町2-55 徳島大学医学部第1外科

受理年月日
1987年4月15日

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