原著
胃癌切除症例の各種免疫学的指標の推移および免疫療法による変動
寺島 雅典, 貝塚 広史, 佐藤 雅夫, 天野 一之, 小高 庸一郎, 森 昌造1)
岩手医科大学第1外科, 東北大学第2外科1)
胃癌切除症例55例に対し,リンパ球サブセットを含む各種免疫パラメーターを測定し,進行度別,術前・中・後の推移,PSK投与の有無により比較検討した.進行度別ではPPD,SuPS,IAP,リンパ球数は進行度を反映したが,リンパ球サブセットには一定の傾向が認められなかった.術前・中・後の推移では,術中にOKT4,4/8比の低下が認められ,手術侵襲により,ごく早期からリンパ球サブセットの変動が認められた.PSK投与群では,非投与群に比べ術後3カ月ころよりOKT4,4/8比が上昇し,術後の免疫能の改善にPSKが促進的に作用しているものと思われた.また,T細胞サブセットの解析は免疫療法の効果判定の1つの指標として有用であると思われた.
索引用語
胃癌患者の免疫能, 胃癌のリンパ球サブセット, 胃癌術後免疫療法
日消外会誌 20: 2305-2312, 1987
別刷請求先
寺島 雅典 〒020 盛岡市内丸19-1 岩手医科大学第1外科
受理年月日
1987年4月15日
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