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第20巻 第10号 1987年10月 [目次] [全文 ( PDF 422KB)]
特集

術後合併症よりみた高齢者消化器外科手術の適応判断―特に肺合併症を中心として―

佐々木 浩, 津村 秀憲, 渡部 洋三

順天堂大学第1外科

 70歳以上の高齢者806例を,待期・緊急手術別,期間別,年齢別の3群に分け,術前・術後合併症,および死因を検討した.待期手術例と緊急手術例の術前併存疾患合併率・術後合併症発生率・死亡率は,それぞれ52.7%と78.3%,36.1%と60.7%,6.6%と38.0%と緊急手術例が有意に(p<0.01)予後不良であった.術後合併症のうち死因で最も多かったのは,肺疾患の40.4%であった.このため肺疾患を併発することの多い開胸例に対して,術後レスピレーターによる呼吸管理を行うことにより,術前肺疾患をもつ症例の術後肺合併症発生率を,I・II期の100%からIII期の37.5%に減少させ,III期においては肺合併症による死亡は皆無となった.

索引用語
高齢者消化器手術, 肺合併症

日消外会誌 20: 2413-2416, 1987

別刷請求先
佐々木 浩 〒113 文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科

受理年月日
1987年5月6日

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