特集
高齢者胃癌の適応判断
羽生 丕, 鴻野 雅司, 谷 雅夫, 本田 徹, 斉藤 直也, 佐藤 康, 竹下 公矢, 砂川 正勝, 遠藤 光夫
東京医科歯科大学第1外科
70歳以上の高齢者胃癌に対する手術適応を再検討するために,高齢者胃癌切除例139例の手術成績を69歳以下の709例と比較し,以下の結論を得た.1)高齢者の合併症発生率(29%),直死率(4%)や5生率(47%)は69歳以下の症例と比べて遜色なく,高齢を理由に手術適応を狭める必要はない.2)高齢者の非治癒切除例では合併症発生率(41%)や直死率(8%)は高く,予後は不良であった.根治性のない症例に過大な侵襲を加えることは避けるべきである.3)患者の暦年齢や術前の検査データは,手術の危険性を予測する上であまり参考にならなかった.4)術後のQuality of lifeには問題が多く,きめ細かいアフター・ケアーが必要である.
索引用語
高齢者胃癌の手術適応, 高齢者胃癌の手術成績, 胃癌術後のquality of life
日消外会誌 20: 2427-2430, 1987
別刷請求先
羽生 丕 〒113 文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学医学部第1外科
受理年月日
1987年5月6日
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