特集
消化器外科術後の重症感染症による多臓器不全の問題
小島 治, 川上 定男, 堀江 弘, 上原 泰夫, 間島 孝, 山根 哲郎, 藤田 佳宏, 高橋 俊雄
京都府立医科大学第1外科
消化器外科術後の重症感染症例49例中に28例にmultiple organ failure(MOF)を認め,死亡率は75%と予後不良であった.MOFは大腸,肝・胆道疾患に好発した.手術部位により好発不全臓器を認め,不全臓器数が増すにつれ,予後不良であった.肺は初発臓器の54%を占め,呼吸不全に注意すべきである.白血球数・栓球数の減少と低血圧が臓器不全の前に発生することがある.MOFに対し,臓器に応じた集中治療と,重症感染源の除去がさらに必要である.
索引用語
多臓器不全, 術後感染症
日消外会誌 20: 2443-2446, 1987
別刷請求先
小島 治 〒602 京都市上京区河原町通り広小路上ル梶井町465 京都府立医科大学第1外科
受理年月日
1987年7月8日
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